繁忙期のただ中で

朝日

確定申告事務が終了した。今年も厳しい1か月だったが、従業員の頑張りによってこれを乗り切った。インフルエンザ罹患の危機もあったが、何とかこれをしのいで3月15日を迎えることができたのである。打ち上げは3月23日である。皆で盛大に祝おう。

税理士事務所の繁忙期は上半期に集中している。前年の12月から1月までは年末調整その他関連の事務があり、それが終わると2、3月が所得税確定申告事務、その後、一息ついた4月中盤から5月いっぱいまでが3月決算法人の決算事務となる。

法人の決算期は任意に決めることができるので、おおむねバラケテはいるが、3月決算は他の月よりやはり多い。これらの事務が12月から5月まで山脈のように連なっているのである。これが過ぎれば、6月から11月までは、いくらか平坦な道となる。

これら繁忙期の中で最も厳しいのが所得税の確定申告事務である。この作業がスムーズにいくかどうかは、お客様の資料がタイムリーに提供されるかどうかにかかっている。資料さえ集まれば何とか処理することができるが、資料が来なければ何とも致し方がない。

これは、人間の性格に起因するもののようで、昨年早かった人が今年遅くなるということはない。早い人はいつでも早く、遅い人はいつでも遅いのである。遅い人には、早めに声を掛けることとしているが、なかなか効果が上がらない。

そういう人は、3月15日までだからと高をくくっている面があるようで、その頃は集中して大変なことになることに気が付かないのであろうか。毎年のことながら、3月の10日過ぎ頃に作業するお客様の顔触れが同じであることに嘆息する。

より利便性の増したコンピュータシステムの存在、電子申告ができるようになって、出力帳票の減少、税務署に申告書を持っていく必要がなくなったことなど、これらによって、確実に事務の効率化が図られてきている。

期限に間に合わせられるのは、こういう事務環境の変化もあるだろう。今後AIの活躍によって世界が変わると言われるが、税理士事務所にとってAIはどのような影響をもたらすのか、税理士事務所は今後どのようになっていくのだろうか、今は見通せないでいるが注目していく必要があろう。