税理士会のウェブ研修

ウェビナー

 税理士会の事業の一つは会員の研修である。税理士は一定の専門知識を有しておかなければならないが、税務会計は税制改正等で日進月歩進化している。従って、税理士会は会員の知識レベルを一定に保つべく、研修を企画するのである。会員はその研修を受けるべく義務化されており、毎年36時間以上受講しなければならないのである。それに対応して税理士会はカリキュラムを作って研修の場を設けなければならないのである。

 コロナ以前はホテル等が確保され、会員はそこへ集合して研修を受けていたのであるが、コロナになってからはウェブ研修となった。集合研修のときは午後からエスケープすることもあったが、ウェブ研修になるとパソコンをつないでさえおけば、後は何していても分からないということではある。性善説に立った方式といえる。しかし、研修であるから全く聞かないということはできず、私の場合は集合型より受講密度は高くなった。しかしながら、そういう構造になっているから他の実態は分からない。税理士会はやきもきしているだろう。しかし、研修による質の向上は会員の側にとっても重要で基本的な事柄である。あだやおろそかにはできないはずである。従って、ウェブによる研修といっても軽んじてはいないハズだ。

 ところで、税理士会の経済的収支はどうだろうか。集合型では会場の借り上げ代、テキスト代、講師謝金が計上されていると思うが、ウェブ研修では会場費はかからず、テキストは受講者がパソコンで出力して準備するので、印刷製本にかかる費用はかからず、講師謝金は会場型が南九州の場合4か所で行われていたため4会場分必要だったが、ウェブは一回で済む。これらの差額はいかほどであろうか。また、会員は受講料、参加のための交通費、食事代等の費用負担をしていた。そういうことを考えれば、ウェブの方が格段に安上がりなのではないだろうか。

 コロナが去った暁にはまた会場型に戻るのであろうか。税理士会の事業経費の負担軽減などを考えるならば、ウェブの方がいいと思うのだが・・・。