お盆に想うこと

墓参り

 お盆の時期である。盆には霊が帰って来るという。仏壇には提灯を灯したりして霊の到着を待つ。迎火を焚いて迎え、送り火を焚いて送ることになっている。そういう中で墓所にはお参りに出かけるのである。霊は自宅に帰っているところ墓参りとはどういうことだろう。

 それでも盆にはお墓参りをすることがしきたりになっている。そういう中で、13日と14日に墓参りに行ってきた。

 当家には墓所が二つある。一つは田舎の実家の先祖代々の墓、父母そしてその先祖が眠っている。田舎は車で片道2時間以上かかる。お盆の時期は3時間は覚悟しておかなければならない。1日がかりである。

 もう一つは妻が眠る墓。家から車で20分のところにある。妻はかねがね実家の墓には入らないと言っていたので、家の近くに墓所を求めたのである。知らない人が多い墓には入りたくないという気持ちは良くわかる。

 私はどちらに入ることになるのだろう。実家の墓に入ったら子供たちは墓参りに来るのだろうか。そういうことを考えると、分骨して両方に入るしかないと考えている。

 墓は骨を納めるところという見方があるが、家の仏壇で毎日お参りしていることを考えれば、まさしくそういうことかも知れない。

 普段は霊はあの世に存在し、あの世に向かって仏壇でお参りするのである。

 お盆に帰られた霊には、短い期間ではあるが、ゆったりと過ごしていただきたいものだと想う。