雑損控除と地震保険

地震保険

今は、確定申告の時期、1年で最も忙しい時期である。当事務所も例年のことながら多忙を極めている。平常業務の他にこの事務が加わるのだから、職員の目つきも変わり身のこなしも素早くなる。

熊本市域においては昨年4月の地震で大きな被害が出ており、今回の申告にはこれが影響を及ぼしている。

事業用資産にかかる被害は、事業所得等の計算に織り込んで処理することとなるから、割りと簡単であるが、居住用の家屋や生活用動産で生活に通常必要なものの被害については雑損控除で処理することとなり、今まであまり経験したことのないような作業をすることとなる。

この作業の中で損失額を算出することとなるが、これを厳密に算定するのはかなり難しく、これに代わるものとして合理的な計算方法が定められている。多くの場合、これによって算定しているのが実情である。

損失額の計算上地震保険が支払われているときはそれを差し引くこととなるため、必ず保険の有無をお尋ねすることとしている。そうしていると意外と地震保険が世の中に普及していることに気づかされる。

大きな被害が出ていても、保険でかなりの部分がカバーされているケースに遭遇すると、自分のことのように嬉しくなる。

地震保険は万一のための備えである。これが現実に発生し保険が支払われたことに直面すると、その有難さをしみじみと感じるのである。