ノラ猫が家猫になりました

ラン

しばしば当家の玄関に来て、ミャーオ、ミャーオとないていたクリーム色のノラ猫は、朝晩食餌をもらいに来るようになっていた。そのような状況になるとウチで飼おうかという気持ちも、飼い主に少しづつ芽生えて来て、連絡していた保護団体からは何の音沙汰もないので、ウチでなんとかしないといけないのかなと、次第にそういう方向に事態が進行していったのである。

犬のハナ、猫のマル、シュウとの相性はどうであろうか、そもそもあの子の体調はどうなんだろうか、感染症などもっていないか・・・などなど心配もあった。しかし、その時点ではもう気持ちは決まっていたようなもので、次はどのようにして捕まえるかに焦点が移っていた。

動物病院に連絡して、いつ連れていったら良いかを打ち合わせて捕獲しようとしたのであるが、キャリーケースを用意してその中にご飯を置いて、入ったところを捕まえようとしたが、敵もさるものその作戦になかなか引っかからない。捕まえることをやめてご飯を置くだけにしていると、安心してキャリーケースに入ってご飯を食べるようになった。そして、やっと、1週間ぐらいして捕まえることができたのである。早速、病院で診てもらった結果、病気は持っていなかったとのことで安心した。

そういうことで、家猫になったのであるが、名前は「ラン」とつけた。病院の見立てでは1歳ぐらいのメスだろうとのことである。小柄なので7、8ヶ月くらいかと思っていたのだが・・・。

彼女用のケージを用意したのであるが、先輩達の強い興味の的になって動きがとれなくなったので、すぐケージから出した。そうすると、人がいるときはソファの下に隠れて、出てこない状態が暫く続いた。しかし、用意したご飯はちゃんと食べていたので、夜、家人が寝ているときに動き回っていたようだ。

ランと先住猫

そういう状況なので、1ヶ月ぐらい経たないと先輩達と仲良くならないだろうし、飼い主にもなつかないだろうと思わずにはいられないのであったが、1週間後に動物病院でワクチンを打ってもらったとき、体重も増え、先生にも「だいぶん慣れましたね」と言われ一安心したのである。その頃、体にも触れるようになった。

この頃は、先輩猫達が使わないキャットタワーに居つくようになり、家中の者の力関係にバランスが出てきたようになったようである。そこで、やっと皆から我が家の一員として認知されたのであろう。幸い、先輩猫との相性もよく一度も争いがない。犬のハナも今のところは腫れ物に触るように、丁寧に接してくれている。

ランとハナ

今では、昼はキャットタワー周辺で過ごし、夜は家中を歩き廻っているようである。不思議な事に威嚇しないし、強引に触ってみても噛まないのである。専従猫のマルとシュウの方が噛むことが多い。噛むことは愛情表現の一つと言われているのだが・・・、まだ、恐れがあるのだろうか。

ランは、家に入れた直後は、寂しいのか、環境の激変に戸惑っていたのか、ミャーオ、ミャーオとしきりにないていたのだが、最近は殆どなかなくなった。完全に心を許しているかどうかは分からないが、ノラ猫出身にしては、年が若いからか、大人しくなるのが早いような気がしている。しかし、まだ、真に心を許せるようになってはいないようにみうけられる。

先輩達と同様に真に打ち解けるようになるのは、果たしていつ頃になるのであろうか。