事務所を変革しなければ

変革

今後の景気の状況を俯瞰すると

2019年に消費税が増税されると景気は冷える。2020年に東京オリンピックが終わると、景気後退は更に進み、企業は非常に厳しい時期に入ると識者は見ている。

政府の景気対策はいろいろと講じられると思われるが、この傾向は変わらないであろう。

熊本地方においては、現在復興景気に沸いているが、これが終わる2~3年後には、一般的な景気後退局面に加えて復興景気も終わりを告げ、これらの要因によって熊本地方の景気は相当厳しい状況に置かれるとみられる。

これは、復興需要に潤った建設業のみに見られることではなく他の業種にも波及し、税理士業界にも余波がくると覚悟しておかなければならないと考えている。

事務所は現状のままで良いか

このような厳しい時代が来ると予測するならば、それに対処しうる方策を模索すべきであり、事務所のあり方について今までのような態勢で良いのか真剣に検討すべきであろう。

これまでは幸運なことに、経営理念などさほど考慮することなく、順調に経営ができてきた。見方によっては消極的な経営であったかも知れないと反省している。

しかし、今後は景気後退、AIの登場などの環境変化が見込まれることから、これらの荒波に揉まれ沈没しないよう、事務所の体質を変革し、強固な組織を構築しておかなければならない。

質の向上こそ必要なこと

このような厳しい時代を乗り越える重要なキーワードは「質」である。成熟した時代にお客様が求めているのは量より質なのである。そういう時代に到達したのである。当事務所としては、質の向上にこそ力を入れる必要がある。

現在においても当事務所の事務は職員各位の努力により、質的に劣るというものではないと自負しているが、これを更に向上させていくということが必要なのである。

質をもう一段向上させるためには、次のことを押さえて全員がこれを共有し、実践していかなければならない。

【1】私たちは何のためにこの事務所にいるのか

【2】どのような目的のために仕事をしているのか

この問いに対する回答としては、例えば税務についてみてみると、税理士はその業法により、お客様の納税義務を適正に実現させることとされている(使命)から、その面では、適正に実現しさえすればそれで事足りるのであるが、それを実現したそのうえで、更に進んでお客様に何ができるのかを考えることが質の向上につながるものであると思う。

その観点から前者については、お客様に税務会計面に安心をしていただくための気配りのきいた仕事をするためということになる。

後者については、きちんと仕事をすればお客様に喜んでいただくことは相違ないことであるが、単にそこで終らず、そのお客様のお喜びになる姿を見てそれを自分の喜びにする。お客様の喜びに一歩近づき、自分のことに置き換えるのである。このことが各人の仕事の目的となるべきものなのだと考える。

従って【2】の回答としては、お客様の喜びを自分たちの喜びとするために仕事をするということになるのである。

経営理念を明確化するならば

1 私たちは、最上級のサービスを提供し、お客様にご奉仕します。

2 私たちは、真心をもって、お客様に安心をお届けします。

3 お客様の喜びを、私たちの喜びとします。

これを経営理念としたい。

事務所の質を向上させるということは、この経営理念を全員で共有し、派生するあらゆる局面においてこれを実践することに尽きるのである。