特別償却がトクか税額控除がトクか、朝三暮四

資産

固定資産を取得しようというとき、リースが良いか買取が良いか尋ねられることがある。これは、時と場合によると考えているが、一番のポイントは資金を有効に使えるかどうかであると思っている。この外、税務上の問題もあり多面的に検討する必要がありそうだ。

これと似たもので、特別償却が良いか税額控除が良いかというテーマがある。

法人が機械等を取得した場合に特別償却ができるものがあるが、このときは、税額控除もできるようになっているものもあり、どちらかを選択することになっていて、どちらが良いかというのである。

減価償却というのは、耐用年数の期間でその資産を費用化するもので、特別償却をするということは、手前で多く償却しその先では少なく償却するものである。いずれにしても償却費の総額は同じであって、早くするかどうかの問題であるから、いわゆる朝三暮四の世界なのである。

これに対し税額控除は、償却の他にできるものなので耐用年数の期間を通算すれば、税額控除を選んだ方がトクになるのは決まっている。

しかし、経営者の経営判断は別のところにあるようだ。早く投下資金の回収を図る観点で物を見れば、税額控除では収まらないものもあるようなのである。

例えば1000万円の機械を買った場合、最近の特別償却は100%できるものがある。これが適用できれば1000万円の償却費が計上されるのだ。この税負担の減少額は、実効税率を30%とした場合300万円になる。これに対し税額控除は7%であるから、地方税への波及額を含めても負担の減少額は80万円ほどである。経営者はどちらを選ぶか、おわかりだろう。