犬猿の仲ならぬ犬猫の仲

ハナとまる

我が家には、犬と猫が一匹ずついる。仲が良いのか悪いのか、良く分らない。室内犬のハナちゃんはノーフォークテリア、活動領域は我が家の2階である。手足が短いのと臆病気味のため、階段が苦手で昇ることも降りることもできないのである。

猫のマルはジャンプが得意で活発に行動している。主たる居住地は2階であるが、そこには、食事するところと爪を研ぐところ、そして、トイレがあるだけで2階にいることは少なく、1階から3階までの全域に出没して行動範囲が広い。1階のクローゼットにも出入りし、天井近くの棚の上にも簡単に昇り、そこで昼寝をしていることもある。

まる

我が家のドアの多くはノブを下げる方式であるが、マルはノブのところまで手を伸ばして、ややジャンプしながらノブに手を掛け下に引きさげて開けることができる。このことは以前にも書いたが、これは私たちがやっていることを見て、見よう見まねでできるようになったようだ。その学習能力には目を見張るものがある。

ただ、残念ながら閉めることはしない。体で押せば良いだけのことだから、しようとすればできないことはないのであるが、なぜかしようとはしない。開けるのは必要に迫られてのことだろうが、閉めるのは必要がないのでそうしないのであろう。決して家人がドアを閉めるところを見せなかった訳ではないのである。

さて、ハナとマルの接触は2階で生ずることとなる。これが、お互いに優しい態度であれば良いのだが、必ずしもそうではないようだ。

接触はマルがドアを開けて2階のリビングに入ってくるときに始まる。ハナはそれに気が付くとマルの方に寄って行き、暫らく睨み合う。ハナが匂いを嗅いだりして体を更に近づけると、マルが手を出してパンチを見舞う。ハナがそれに対抗する。以前は取っ組み合いに発展していた。体格はマルの方が大きいので、そうなればマルの方が勝ちだ。

最近は取っ組み合いにはならず、痺れを切らしたマルがその場を離れようとする。それをハナが追いかける。マルは全速力で逃げる。それをハナが全速力で追う。マルは階段に避難する。そうすると、ハナは手も足も出なくなり、そこで騒動が終息するのである。結局、マルが追い払われ、ハナが自分のテリトリーを守った形となるのである。

まる

ハナとマルが睨み合っているとき、私は声を掛ける。仲良くしなさいよ・・・と。特にハナの方に言うのであるが、最近は少し分ってきたようで、マルに対する当たりが柔らかくなってきたようにも思われる。一緒に住んでいると犬も人間の言葉を理解するようになるのかなと思う。

ハナ

天国に行った先輩犬のチャーリーやミントも家人の言葉を結構理解していたようだった。集団生活を求める犬の特性として、リーダー(飼主)の意向を素早く感じ取ることが求められるということもあるのだろう。この能力が言葉を理解する素地になっているのではないだろうか。

ところで、ハナちゃんにとってマルはこの家に住む唯一の同僚である。お互い仲良して欲しい。ハナとマルは、あと10年程はこの家に同居するのだから・・・。