令和3年の年のはじめに

丑年

 早いもので新元号の令和も3年目を迎えることとなった。令和の出典は「初春の令月にして気淑(よ)く風和らぎ 梅は鏡前(きょうぜん)の紛を披(ひら)き 蘭は珮後(はいご)の香を薫(かお)らす」万葉集の梅花の宴で詠まれた32首の歌の序文である。

 正月の大気が清く澄み渡り、風は和らぎ梅の花は白く咲き、蘭は香りを薫らせているという情景を表しているもので、まさに、初春の趣がよく出ている。

 新年の新たな気持ちで漕ぎ出した船出にすこぶるマッチした表現であると思っている。令和の3年になってもその清新な感覚はいささかも衰えをみせない。

 しかし、令和3年の現実の風情は、昨年発生したコロナの影響を脱し得ず、マスク装着はもとより3密を避けるなどの行動などに制約を受けて生活せざるを得ない厳しい状況にある。

 今年は、オリンピックが予定されているが、どういう風に運営されるのかよくわからない。関係者の方々は大変なご苦労をされているに違いない。一縷の望みとしては、春ごろにはワクチン接種が始まりその改善が期待されるわけであるが、これもどうなるのか心配である。

 新しい年については、例年先が読めないものではあるが、干支などを手掛かりにして、できるだけ良い年になるように解釈してきたところである。

 しかしながら、今年はコロナですでに厳しい状況が出現しており、丑がどう影響を及ぼすのか、これが年央、後半においてどう響いてくるのか予測がつかない。一般に言われるものとして、丑は我慢、耐えるものといわれる。そして、これから発展する前触れともいわれている。いちおう、ワクチン接種によって改善されると予想しておきたい。危機を克服して芽が出る。そう思いたいが果たしてどうなるのであろうか。

 これが令和3年の年頭雑感である。