犬、猫の悟り

まる前回、我家の愛猫「マル」のことを書いた。マルと私の険悪な関係が氷解した内容であった。今回は、「マル」とノーフォークテリア犬の「ハナ」との関係について書きたいと思う。

マルは3年前、子猫のときに当家に辿り着いた野良猫で、氏素性は分らない。これに対し、ハナはその1年後ぐらいに、ブリーダーのところから生後3か月で当家にやってきた純血種で、血統書には曾祖父母の代から記される家柄のお嬢さんなのである。

それぞれ生まれは天と地ほどの差があるが、育ちはいずれも当家、同じなのである。この二人、育ちは同じとはいっても、生活状況は犬と猫の特性が出て面白い。

マルは1階から3階まで室内は自由に行き来できる。ドアは器用に取っ付いて自分であけることができるので、何処へでも行くことができる。さすがに玄関ドアは開けることができず、外には行けないが・・・。

これに対し、ハナは階段の昇り降りができず、もちろんドアも開けられない。そのため、居間やキッチンのある2階の平面だけで生活する状況なのである。同じ家の中でありながら、住まい方がまるで違う。

体格面では、マルがハナの倍ほど大きい。しかし、性格はハナの方が積極的で強い。

ハナとマルが出会った頃は、小柄なハナが大きなマルに挑んでいって、プロレスのような取っ組み合いをしていたのである。マルの手が長いので、ハナをヘッドロックして一本勝ちのような状況で終わっていた。それが、最近はヘッドロックをしているところを見なくなった。

我が家は、人間が3人、犬猫2匹の5人家族である。人間は犬猫を可愛がり、犬猫はペットとしての役割を果たしている。そういう中で、ハナもマルも大人になってきた。その動きを見ていると、精神的にも成長しているようにみえる。角が取れてきたように見えるのである。今は激しいじゃれあいはしなくなった。この点でもオトナになったようである。

我が家5人の関係はこれからも続く。ハナとマルはいつまでも争っている訳にはいかないのである。仲良くしてペットの本分を尽くしてもらいたい。彼女らは、そのことを悟ったのではないか。

さてさて、犬猫でも悟ることはあるのか、そう思って顔をジッと見詰める、澄んだ目をして、いい顔だ。これは悟りを開いたような顔にも見えるが・・・、マサカね・・・。