平成が令和に代わる頃、我家の猫シュウはうちに来て半年を迎える。生まれて3か月くらい・・・このくらいたたないと子猫は動かせないそうだが、頃合いを見計らって、去年の秋に大分から迎え入れたのである。
先住猫のマルは、その2年位前に子猫で彷徨っているところを拾い上げて、当家の猫としたのである。獣医師の見立てでは、生まれ落ちて3か月位だろうか。痩せ細った生粋の野良猫であった。そういう意味では、シュウは上流社会の子猫だったのであろう。
シュウは雄である。先般去勢をした。去勢するとおとなしくなるようである。それまで体がどんどん大きくなって元気いっぱいだったが、今は少し足踏みしているように感じられる。これは去勢のせいだろうか。あるいは成長点に達したのか・・・。
先住猫のマルとは去勢仲間で親子のように仲良く付き合っている。犬のハナとはライバルだ。戦国時代の武将たちのように隙あらばと勢力争いを繰り返しているのである。ハナの方が年上で体格も優っているのでシュウが劣勢なのは仕方がない。ハナの弟のような地位にあるのである。
飼主との関係はどうかというと、大分までもらいに行った娘を母親と思っているようで、娘にはすこぶる従順である。私や妻に対しては、よそよそしい態度をとる。こちらからチョッカイをだすと逃げていく。猫は愛想がないよね・・・。やはり、食事やトイレの世話をするものが主人であり、その他はヤヤコシイ人と映っているのだろう。
平成が終わろうとしているある日、夕食のテーブルの私の椅子にシュウが座っていた。これから食事なのに困ったことだがと、膝を折り屈み込んでシュウに顔を寄せ「どいて」と言うが動かず、瞳は大きく見開いて、あなたは何をいってるのといった眼つきをする。何回かそうしても動く気配がないので、業を煮やして強引に座ろうとするとやっとのこと下に降りて逃げていった。そういうふてぶてしい奴である。上流社会に生まれた猫はこうしたものなのか。