裏書譲渡した受取手形と貸倒引当金

計算機

貸倒引当金の繰り入れにおいて、売掛債権等について取得した受取手形を裏書譲渡した場合には、当該売掛金、貸付金等の既存債権は売掛債権等に該当するものとして取り扱われる。

手形を譲渡した場合、受取手形は簿記上消滅することになるが、手形期日が到来するまでは引き続きリスクを負っている。したがって、その手形の基となった売掛債権等については、貸し倒れのリスクが残ることとなるのである。

したがって、決算書の貸借対照表に表示されていない売掛債権等であっても、それが裏書譲渡手形によるものである場合には、その金額が一括評価貸倒引当金の繰り入れの対象とされるのである。

この場合、裏書譲渡手形は貸借対照表には表示されないが、個別注記表には表示することとされているので、貸倒引当金の繰り入れに当たっては、この注記によって裏書譲渡した手形の金額が確認できるようになっていなければならないとされている。だから、注記を忘れてはならないのである。

しかし、当然のことであるが、裏書譲渡した手形の取得原因が売掛金、貸付金等の既存債権と関係のないものであった場合は、個別注記された裏書譲渡手形であっても貸倒引当金の対象とはならない。

これらの取り扱いは、割引手形についても同様である。