あいさつは隗より始めよ

早朝

 朝5時に散歩していることは前に書いた。所要時間たったの45分であるが、距離は3キロから4キロぐらいか。短いようで歩く側にとっては長い。歩数計をつけていないので歩数は分からない。

 広い道路の歩道、ほゞ直線コースの往復なのでひたすら前を向いて歩く。信号にかかりそうなときは速足になったりして調節する。赤になったら休憩と思って止まる。早朝人が少ない時間帯、信号無視の車がいるかもしれないので特に注意している。

 ところで、早朝の信号は切り替わるのが早い。普段の半分ぐらいではないかと思う。これは散歩するようになってから分かったことである。だから、長く信号待ちをすることはないのである。

 すれ違う人は、反対側の歩道を歩く人を含めて多くて30人ほどである。雨がふりそうで傘をもって出るときで10人から20人、晴れの日で30人といったところである。顔ぶれが同じようにならないのは、朝早くの散歩には微妙な要素があるからなのであろう。

 すれ違う時あいさつをしなければと思うのであるが、相手がしたらしようという構えになっている。お早うございますと声をかけてくる人は一人か二人である。相手がしなければこちらもしないという消極的な態度ではよくないと思うのだが、ほとんどの人がこの姿勢であることは何なのであろうか。体力的に声をかける余裕がないのであろうか。自分のことを棚に上げて申し訳ないのであるが、朝のまだ薄暗さが残っている時分では心と体がそれに向いていかないのかもしれない。

 声をかけてくる人は大体年配の女性である。男性、若い女性はまずない。情の深浅さが分かる。そういうことなら「隗より始めよ」である。このところ次第に散歩が楽しくなってきたころでもある。明日から声をかけてみよう。