焼酎考

焼酎

毎日晩酌をしている。外に飲みに出るときを除いて毎日である。従って、休肝日を設けよというお達しには、残念ながら沿えていないのである。

ただ、その量は、芋焼酎お湯割りあるいは水割り3杯程度である。たいしたことはないのである。薬のようなものと思っている。勿論、飲みに出たときの量はこの比ではないが。

これで今のところ肝機能の数値に異常はない。肝機能どころか腎臓、膵臓の数値もすこぶる正常なのである。これは、毎日の食事のこともあると思うが、飲んでいる酒種が清酒などでなく焼酎であることが、大きな要因ではないかと、私は信じている。焼酎でも飲みすぎたら副作用はあるだろうが、適量では体調に障ることはなさそうだ。

徳之島の泉重千代さんは、黒糖焼酎で晩酌をすることが楽しみで、長寿を全うされた。このことが、私の晩酌生活の支えとなっているのである。

ところで、アルコール飲料の中で焼酎はどの程度支持されているのだろうか。最近は飲み易くなったせいで、その地位は上がっていると思うが、全国的には清酒、ウイスキーに後れを取っているのではないだろうかと感覚的に思っている。

国税庁発表によると、平成27年度全国の消費者に対する販売数量は、ビール2,665千kl、焼酎858千kl、清酒588千kl、ウイスキー135千klとなっていて、焼酎は清酒より多く消費されているのである。清酒を100とした場合の焼酎は146であり、おおむね1.5倍なのである。

これを地域別にみてみると、北海道170、東北関信越121、北陸76、東京154、中部134、近畿117、中四国139、九州沖縄334となっており、北陸だけが低くそれ以外は高い。中でも九州沖縄は334とダントツに高い。清酒の実に3倍強である。このように地域によってかなりの差がある。北陸はやはり清酒の国柄であろうか、各地のアルコール文化が見て取れるようだ。

清酒と焼酎の味を比べると、清酒の方が格段に美味しい。しかし、九州では焼酎が好まれている。これはどういうことか。美味しさにおいては清酒に劣るかもしれないが、適度の酔いをもたらす楚楚とした味わいは焼酎の魅力であろう。

そのように私は感覚的に捉えていたのであるが、国税庁発表資料は、この外にいろいろな要素があるとは思うけれども、その傾向の一端を裏付けているようにも思うのである。