料理人の知人が転職したとの連絡があり、それならば行かなければなるまいと、友人と二人で行くことにした。転職先はステーキハウスで、かなり賑わっていると見えて、やっとのことで予約が取れた。
当日、友人と待ち合わせして店に向かった。とあるビルの地下にあり、エレベーターもあったが、下りなので階段を使って降りた。階段を降りるとそこは店の入り口で、中に入ると左側に椅子席、右側に座敷席が配置されていた。案内を乞うと座敷の方に案内され、二人用の堀こたつ式の和室に入った。
知人が挨拶にきてひとわたり転職のいきさつを説明した。前のところは和食の店で、夜が中心であるが昼食もやっているので、買い出し等の準備を含めると朝が早く、かなりきつかったとのことで、それが転職のきっかけにもなったようだ。
そうこうするうち、料理が出始めた。先付が来て、次にアワビときた。アワビはよく火が通っていてやわらかかった。鉄板で焼いているのが座敷からは見えないので、部屋を出て見物する始末。
肉になったときは、焼く前に肉を見せ、霜降りの状態を確認してから焼き始めた。口に入れると肉はかなり柔らかく、また、口当たりもよく、おいしかった。ステーキハウスのメインデイッシュはまさにこれだというものであった。
転職した知人は、すでに新しい職場に馴染んでいるように見えた。店の方にしても新しい戦力が加わったことで、よかったのではないか、友人とともにおいしい料理をいただいて、大いに満足して帰途についたものだった。
令和6年12月9日