晩酌は25度の芋焼酎を6:4のお湯割りにして飲んでいる。夏でもお湯割りである。これを1杯飲むのが精神的にも身体的にもよいと思っているのである。
そういう頭の片隅には、いつも倉庫の奥の方にしまっている甕にいれた泡盛の存在があった。いつかは取り出さないといけないと思っていたのだが、なかなか機会に恵まれずそのままとなっていたのである。それが芋焼酎の在庫が切れたのを機に取り出してみることにした。
その甕は二つもあった。やっとのことで取り出して、ゴミを払って開けてみた。一つ目の甕は途中まで飲んだもので、封が万全でなかったせいか、気が抜けてしまって2割ほど残っていた液体は水のようだった。
もう一つの甕は手つかずの状態で厳重に栓がされていて一度も開けてないことが分かった。平成16年4月吉日と書いた札がついていて、実に20年、我が家で眠っていたことになるのである。もともと古酒だったので、通算すると二十数年を経て開けることになるのであった。
木製の小さな柄杓でコップに取り出した。43数度の液体は柄杓に3杯がコップにちょうど良い状態であった。透明に光る液体を眺めていると、これは水割りやお湯割りにはできない、ロックでないともったいないと閃いた。
ロックにすると極めてまろやかな味わいである。泡盛の味を脱して古いウイスキーに近い味であった。20年の時の流れは泡盛を一段上の位に昇華させていたのである。
毎晩20年の出来事に遠く思いを馳せながら、ロックを楽しんでいる。
令和6年9月17日