夕立と犬

夕立

 連日炎暑が続いている。庭の草木が水を求めて喘いでいるように見える。夕方になると黒雲が出てきて、雨が落ちそうになるが降りきらない。そういう日が何日か続いたので庭に水を撒いた。草木は生き返ったようになった。

 その翌日、夕食をとりながら高校野球を見ていたら、急に空が曇り大粒の雨が落ちてきた。夕立だ。昨日水を撒いたのにと思ったが、雨が降るに越したことはない、歓迎だ、降れ、降れ、もっと降れと心の中で叫んだ。

 おりしも関東地方には台風7号が近づいており、鉄道、空の便に影響が出ていたときであった。暫らくの間強く降り続け、水まき効果としては十分な降りとなった。

 この雨に雷も発生した。これに呼応して愛犬のハナちゃんが吠えた。稲光と雷鳴に反応するのだ。吠えるのを制止しても全く効果がない。吠え続けること約40分、飼い主は耳が痛くなり、隣近所には迷惑をかけ申し訳ないことだった。

 ハナちゃんの喧騒という副次的なことはあったが、なにより雨が降り、慈雨となったことは嬉しいことであった。

令和6年8月18日