年の瀬そして新年

年の瀬

ときはいささかも怯むことなく、時を刻んでは遥か彼方へと流れ去っていく。その流れは今、平成30年の年の瀬を洗っている。

その速度はゆったりとしているが、過ぎ行く先を眺めれば、この1年は早かったと感じざるを得ない。

振り返ってみると、平成30年は穏やかな正月から始まり春、そしてゴールデンウイーク、暖かさが徐々に熱く変わり灼熱の夏、その夏をやっと越したかと思うと秋、秋は取りつく島のないほどに足早に過ぎていった。そして初冬、冬枯れへと季節は移ろってきた。今は駆け足で過ぎ去ろうとしている年の暮れである。

この1年、台風、集中豪雨、地震などの災害が日本列島のあちこちを襲った。パワハラ、暴力問題も世間を騒がせた。何かと気持ちの修まらない年であったように思える。

先ごろ発表された今年の漢字は「災」、良い年ではなかったということを示している。

さて、新しい年は平成31年であるが、それは月まで。月には新元号の元年となる。新元号の決定については識者に任せるほかなく、全く見通しが利かない。また、秋には消費税率が上がり国民の負担増となる。政府は景気対策を講じる構えではあるがその効果は分らない。故に、新しい年のイメージは宜しくない。先の見えない不安な気持ちになるのである。

平成30年は「災」の年であった。新年の運気を展望するに「災い転じて福となす」であって欲しい。新年が福となることを強く願う。

これには、新元号が大きな影響を及ぼすことになると思われる。万民の頭脳に刻み込まれる元号の意味と音韻は大事だ。世の中を明るく照らすものであって欲しいと願うばかりだ。