センカクアオイ

センカクアオイ

事務所の窓辺の棚に、大き目の植木鉢に繁っている観葉植物がある。事務所を開いて程なく取得したので、もうかれこれ30年になろうかという長生きの植物である。

最初は小振りの鉢に植わっていたものだが、3回ほど植え替えをして現在の形になっている。かなり繁ってきているのでそろそろもう一回り大きな鉢に植え替えしないといけないかなと思っているところである。

名前はうろ覚えであるが、たしか「センガクアオイ」といったハズ。念のためネットで調べて見た。「せんがくアオイ』と平仮名片仮名混りで検索して見ると、ウイキペデイア出典で「センカクアオイ」で出てきた。「せんがく」と濁らないのである。別種かと写真を見てみると同じだ。神代植物公園の植物多様性センターに展示してある写真とのことである。

その概要を見て驚いた。日本固有種で琉球諸島の魚釣島のみに分布する。山地の林内に生育する多年草で、園芸用の採取や魚釣島に放逐されたヤギによるかく乱等が要因で自生地及び個体数を減らし、レッドデータブックに掲載されているとのことである。

私は、赤穂義士ゆかりの泉岳寺に自生している葉っぱが葵の形をした草のことかと思っていたが、尖閣諸島の魚釣島に自生しているもので、しかも、絶滅の危機に瀕しているとのことで再度びっくりした。

よくそういうものが我が事務所にあったものだ。どこからか買い求めたものであるが、どこかの園芸店であろう。記憶はない。珍しいということが購買動機だっただろうことは分かる。

過去に水遣りを忘れて萎れてしまったことが2、3度あった。その度に大急ぎで水を供給して生き返り長らえさせてきたものだ。

このような事情を知ると、今までなんとも思わなかったものが、急に愛おしく感じられるようになった。絶滅の危機にあるものを、過失で枯らしてしまったならば大変なことになっていたと、今頃になって胸を撫で下ろしているのである。

これは大変なものを持っているぞ、しっかりしなければ、水やりに気をつけて、可愛がっていかなければならないなあと、改めて思いを新たにした次第である。